社会への求職活動

 生まれて初めて社会に出ることになった。勿論、誰だってバイト位はしたことはあるだろうが、それが片手間か本業になるかは大きな違いである。
 私も初めて社会に出るということで、責任が大きくなるのでは?とか失敗は許されないのでは?などと不安になっていた。就職を控えて、学校でも求人票を取り寄せてくれたりしてファイル化して見せてくれた。
 何をポイントに探せば良いか解らなかったので、取りあえず資本金の大さと株式会社かどうか、社員数など、基本的な所を押さえて探してみた。ファイルをめくっていると、電力会社の子会社で造園をしている会社があり給料も良く福利厚生も整っていた。有限会社だったがバックボーンを考えたら、きっと良い会社なのだろう。
 JWではあったが、開拓には興味が無く全時間で働きたかったので先生にそこの会社に行きたいことを告げると、先生からは「そこは雑草を刈るだけの会社だ。お前は将来独立したいと言ってたよな?だったら、もうちょっと別の所がいいぞ。雑草刈るだけでは技術は身に付かんし。」と言われた。
 確かに、自分の中ではJWと世の職業を両立するには造園屋は最適かなと思っていたのだが、それは夢に似た願望であって本音はお金を稼げればどこでもよかった。ただ、何となくJWでの良い子ちゃんを目指していたのでつい独立したいとか言い出してしまったのだ。
 結局、普通の会社ではJWを維持できなさそうということで、週4日勤務で知り合いのJWが居る造園屋に就職することになった。そこの会社は経営者の弟がJWということで、JWに理解がある会社で私の知り合い以外にも2人JWが働いているということだった。
 高校の進学を決める時もそうだったのだが、私はどうも必死に努力するということをせず、なんとなく周りの顔色をうかがいながら、進路を決めてしまう事が多いように思う。お陰で、後々悲惨な状況になった時に過去の決断を悔やむことに。このときも、中学時代の友達が大学に進学しているという話を聞いてる中で、自分の就職先がバイトで造園屋という見劣りするものだったことに少し落胆していた。