大学進学の是非

Arlecchino2004-12-24

 進路就職など進路を決定すべきこの時期。私の立場上色々聞かれる。「大学には進学した方がいいのでしょうか?」と。私は「はい。」と即答する。大学に行く前までは嫉妬心もあり、「高等教育は一概に良いとは言えない」的なスタンスを取っていたのだが、大学に入ってその考え方は一変した。やはり、大学という機関に籍を置き様々な人種、性格、国籍、出身が異なる人々と接することは大事だ。
 何故入った方が良いのか?それは私の中では三つくらいある。

  • 自尊心の確立
  • 幅広い視野・社交力を培う
  • 倫理的思考力

大体、この三つが身に付くので大学入学を勧める。自尊心の確立だが、これは大学に入る為勉強という努力をする。そうすると、自分の知識や技量に自信がつく。更に大学で単位取得した経験もこれからの実社会で役に立つもの。誰かに言われてやる受け身の高校までと違い、自分で行う勉強により資料収集力や自制力が身に付く。それにより、自信が付き自尊心確立へと至る。
 幅広い視野・社交力は大学で会う様々な人々との交流がある。圧倒されるまでの秀才・天才。蔑みたくなるような駄目人間。レベルが似ていた高校時代と違い、その両極端をかいま見ることが出来る。年齢も様々。国籍も様々。そういう人々を見ることで自分も影響を受ける。倣いたい、反面教師としてなど思いは様々だが全てが糧になる。
 論理的思考力について。大学での試験には何事も記号で埋めるだけというテストは少ない。何かを人に説明することが求められる。論述式然り、プレゼンテーション然りである。人にわかりやすく説明するには、自分が120%理解していなければならない。理解をするためにはよく考える。その作業が論理的思考を培う助けとなる。
 これ以外にも色々な魅力があるが、きれい事を言うならそんなところだろう。更に言えば、一人暮らしが望ましい。一人で暮らす大学と暮らさない大学では大きく異なる。一人で居ると色々考えられるし、自分の意志で行動を決定できる。そういう事の積み重ねが人を大きく成長させるきっかけとなる。一人暮らしすると短期間で人は成長する。『男子三日あわざれば刮目せよ』とはよくいったもの。男子女子関係なく。
 勿論入るならば、それ相応の大学が求められる。国公立なら問題無いと思うが、私立ならスポーツでしか名前を聞かない所や、下手すれば名前だけ書けば入れる様な私立東京○○大学、私立国際○○大学というように、冠に東京などという地名や国際をやたら貼り付けている所などは学費を払うだけ無駄である。そこは大学でなく、大学という名前を借りた幼稚園と化している場合があるからだ。それに出身大学を言う時も「○○大学って知ってる?」などと卑屈気味になる。自分の卒業した所に胸を張れない人は、その後の人生も卑屈になってしまう。そういう意味で大学選びは慎重に。