不安と期待

 大学合格後、親も全面バックアップを約束してくれて晴れて東京での一人暮らしが始まることとなった。両親の片親は大卒なのでやはり大学に進学して欲しいのが本音だったらしい。母親は高卒だったので、コンプレックスもあったようでそういう意味で大学進学は遅いといえど喜んでくれた。
 一人暮らしが始まった。今まで一回も地元の会衆を出たことがない自分としては、他の会衆に交わることは初体験だった。交わった会衆は大学の近くということもあり、同じ大学に通うJWの子達で溢れかえっていた。私も、交わって早々に同級生達に引き合わされ、年齢は違えど仲間意識を持つようになった。
 しかし、言っても多様な個性の上に成り立つのが人生。同級生といっても、人格は様々で私は初対面で失礼ながら個性の違いを感じた。「この人達とはうまくやっていけないな」というのが正直な感想だった。
 同級生は仮にA君BさんCさんD君としておこう。

A君は家庭に複雑な事情があるらしく、親と疎遠で生活費を自分のアルバイトで賄っていた。一回入院する騒ぎがあっただが、両親にまず連絡するのでなく私に連絡があった。そこからも、家族との関係が伺える。

Bさんはお父さんが弁護士でお嬢様だった。しかし、生い立ちに少し難があったらしく精神的に不安定な子だった。気分次第で機嫌が変わる子で私は付き合いづらさを感じた。

Cさんは、帰国子女で英語はかなり優秀に見えた。しかし、やはり二世独特の裏表を使い分ける面があり、本音と建て前が全然違うので面食らう所があった。

D君は大学入学前は不真面目なJWだったが、入学と供に目覚めたらしく、熱心に補助開拓などを捉えていた。今でも同級生の中では一番真面目かもしれない。JW的にはね(笑)

 私的にはこの個性ある面々に上手く合わせたつもりだったのだが、体は正直で6月を過ぎたあたりに過労で倒れてしまった。自分は上手く合わせていたつもりだったが、体が付いてこなかったようである。
 それからは、無理をせず気楽に行こうという気構えになり、集会も無理して出席しないようにしようというスタンスになった。今思えばこれが現在の自分に繋がっているかもしれない。