大学への道

 一年くらい経ったある日、私は決意をした。どんな困難があっても大学に行ってやる!と。どれだけ回り道でも時間がかかってもいいから自分の夢を成し遂げたいと決意した。それからというもの血の滲むような努力を続けた。仕事で帰ってきても遅くまで勉強をし昼休みは復習に費やす。テレビや漫画などには見向きもせずひたすら大学を夢見て勉強した。
 現実的に考えて、教科数が多い国立は無理だった。地元には有名な私立大学は無かったので、東京に出ることにした。自分でも受かる保証はなかったが、思い切って六大学を受験した。取りあえず行きたい大学を一校に絞り大学受験をし続けた。私立でも、そこに行けば凄いと言われる学校だ。的を絞った勉強法というやつだろうか。その成果あって私の成績はめきめきと上がっていった。そして遂に受験が終わった。
 あっけなく私は合格していた。信じられない奇跡がおきたのだ。工業高校に進学し、何年もブランクがあったにもかかわらず合格できた。
 合格してから今度は、現実問題として自分の住んでる土地を離れるという問題が浮上した。私の住んでいる都市は地方だったので東京まではかなり遠かったのだ。