暗中模索

 同窓会などで友達に会う事があった。中学校の時「アホ」と言われていた子ですら大学を出ている事実に驚愕した。クラスで大学を出ていないのは私と他数人だった。その事実に打ちのめされ帰途に着いたものだ。
 それからは兎に角大学に行きたくて仕方がなかった。毎日大学の資料を取り寄せては検討したり、雑誌を買って大学への道をくまなく探した。昼休みはいつもネットで検索していた。自分の家の近所に大学があったので、そこなら働きながら通えると思い検討したが、親に大反対された。
 理由はその大学が無名で偏差値が低かったからだ。「行くことには反対しない。でも、今更大学に行くのに無名の大学に行ってどうする。そんなことしたらますますお前の自尊心は傷つくぞ。」と言われた。的を射てるだけに、何も言えなかった。確かにその時無理矢理進学出来ていたかもしれないが、結果はきっと親の言ったようなものだったと思う。
 それからしばらく私は大学へ行くことを諦めた。現実的に、自分の学力では無名な大学ならともかく名前がある大学では無理だと考えたからだ。