確執

 同級生と上手くやっていこうと思ったのだが、実際そう上手くはいかなかった。大学生ともなると「私は私」というスタンスになり、個性が思い切り発揮されてしまう。そうなるとこちらが幾ら合わせようと思っても合わないものである。
 最初の一年間くらいはそこそこ仲も良かったのだが、二年も過ぎると段々個性が出てきてすっかり互いに疎遠になってしまった。それが望ましいか望ましく無いかは解らないが少なくとも私は馴れ合いの関係よりは気楽でよかった。
 それと同時に会衆内の確執も見えてくるようになった。どんな会衆でも派閥争いみたいなのはあるもので私の交わった会衆も例外ではなかった。勿論、どこに属するということは無かったがやはりどこかと上手くやっていかないと潰される危険はあった。
 幸い私は、そういう立ち回りには長けていたので、事なきを得たがBさんやCさんは自分の個性を貫いた為に、おばさん集団の反感をかって今では半ば潰された状態である。
 そんな内ゲバは腐るほど見てきたので、今更つまづくということなどは無かったが、今までJW二世として初めて「本当に神の組織なのか?」という点がこの時から徐々に私の仲で肥大化していった。この頃大学の授業と併せて「批判と客観」という視点で物事全般を見るようになった為か、この組織の「批判は絶対許さない」という所を見て私的にそれはいかがなものか?という思いも強まっていった。