二世的就職活動

 二世といえば就職も分かれ道。私の同級生はプー太郎が殆どであり全時間の職に就いているのは一握りであった。また、仮に全時間でも集会に交わる真面目者は一握りであり殆どは不定期であった。
 確かに、今のうちはいいだろう。若いうちは親の援助もあるし、それなりに生きていける。しかし、年を取り親が死に、一人になった時いつまでもプー太郎では生きていくことは出来ない。また、体が少し弱った時やはりお金がないと生活はできない。この組織は、やれとは言うが失敗した時の尻ぬぐいは決してしてくれない。
 私の知り合いで長年忠節に使えた姉妹が居た。姉妹は若い時何度も結婚を言い寄られたがその都度断り、もうすぐ楽園がもうすぐ楽園がと信じて結局60近くになってしまった。そして、今難病に冒され始めた。しかし、旦那様もおらず肉親とはJW故に絶縁状態。だからといって、会衆の人にお金を恵んでくれとも言えず、辛い体に鞭打って働きに出ておりますます体は悪化している。私の母がたまに会うと、愚痴ではないが「若い頃に結婚しておけば良かった」と言うそうである。
 この姉妹のように長年頑張ってきても、ベテルの織田兄弟の母親でもあるまいし、日本に来た宣教者でもないので、老後の面倒は組織は見てくれないのだ。やはり自分の身は自分で守らねばなるまい。安定した収入を得て、その上でJWを続けていくのだ。
 私は、前の仕事で少し失敗しているので、今度は最期の転職にしないといけないと考えているので慎重に仕事を選んだ。しかし、大学に入り直してるということもあり少し年齢的なハンデも否めない事実であった。
 まずは公務員を受けようと思ったが、あまりの難しさに挫折した。今の時代は誰もが公務員に殺到するのでどうしても難しくなる。加えて私立文系の悲しい性で数学系がまったく手も足も出ない。公務員の勉強はどうしても、数学の問題が多くなるので私には向いて無さそうだった。5月を過ぎたころ、民間企業への転向を考え始めた。