入信のきっかけとその後・・・

Arlecchino2004-12-09

 昔仕事をしていた時代、職場に哲学やら宗教やらにやたら興味を持つ人がいた。その人は殺人以外なら大概の事はやってきた過去を持っている人。そういう複雑な人生があるからこそそういうモノに興味を持ったのだろう。仮にSさんとしておく。
 職場には私以外にもJWが最盛期で3人いた。ほかに創○学○の人が1人。今思えば宗教に入った人が多い職場だったのかも。関係ない話だが、創○学○の人とSさんは大変仲が悪くいつも揉めていた。
 Sさんは40を過ぎていたが、結婚もせず妹とその子供と一緒に同居していた。自分の事を父さんと呼ばせたり、妹を母ちゃんと呼んだりして少し変な家庭だった。屁理屈で頑固で変わり者。きっと、ほかの職場でも折り合いが付かなくて辞めてきて造園の会社にたどり着いたのだろう。造園会社は決して偏屈者の集まりではなかったが、やはり底辺に近い職場のためおかしな人が多かった。
 私はこのSさんと仕事をするのが苦痛でたまらなかった。何かある度に「バカ野郎!」と怒鳴ったりする人だったからだ。そのくせ自分が失敗するとイライラしてそれをこっちにぶつけてくる。計画性も余りなく、珍しいモノを見るとすぐそっちに興味を示して周りのことを忘れる。アダルトチルドレンという単語は当時無かったが、今で言えばそういう人。
 ある日Sさんと2人だけで現場に入った事があった。その日の昼に「お前はなんでエホバの証人になったんだ?」と言われた。その時はJWを頑張っていたから、それ相応に綺麗な解答をしてみせた。Sさんは一通り聞いた後で「お前がどういう気持ちで入信したのか真意は知らないけど、元を正せばどうせお母ちゃんがやってたからだろ?」と突っ込んできた。「そして、その母ちゃんたちだってな、何か悩みとかを抱えて入信してるのが多いだろう。俺がいまいちエホバってのを好きになれないのは、人の弱みにつけ込んでいる所があるからだ。」と言われた。当時は「何を!」と心の中で思っていた。
 時代が経て、今自分でその時の事を思い出した。Sさんが言うように何か問題があって入信している人が多い。全員そうではないが大会とかで聞く経験とかも、「家庭内暴力が・・」「ドラッグに溺れ・・」「盗みや喧嘩に明け暮れ・・」「夫婦で毎日喧嘩しており・・」「子供なんか死んじゃえばいいと・・」等々、所謂終わってる人達が多い。そんなときに偶然尋ねてきたJW。そこに光を見いだしてたまたま上手くいったから、今度はJWの教理に心酔するパターン。熱狂的信者とかになる。入信するきっかけとその後の態度は通じるモノがある気がする。
 思えば、うちの親のきっかけは子育てに悩んでいたとかだった。しかし、別に鬱になっているわけじゃなかったみたいだし、疲れ切っていた訳ではなかった。それと考古学が好きで、その方面から好きになったとか。だから、熱狂的JW信者という感じではないのかもしれない。
 偶然ではあったのだが、うちの親が終わっている親でなくてつくづく感謝である。JWに生まれた事は不幸な事ではあったが、その中でもうちの親に生まれたのはまだ不幸中の幸い。結局、今日の文は何が言いたいのかよく分からないが、そういうことをふと思い出したので書いてみた。