借金返せ

Arlecchino2006-08-03

 JWの親の対応について書かれたコメントがあったので今更ながら過去を思い出してみた。親が、二世に対して自己責任と言う一言に注目してみたい。自己責任というのは、100%自分の意志で決定した行動の責任を取るときに使われる。たとえば、危険地帯に周囲の止めも聞かずに乗り込んで殺害されてしまう時などには、自己責任と言われても仕方がないだろう。
 果たして二世の選択した決定は自己責任なのだろうか。子供は生まれる親と土地は選べないとはよく言うが、まさにその通りだと思う。まず、生まれた時点で半分くらいは運命が決まってしまう。
 貧しい家に生まれれば、なかなか裕福な生活は出来ないだろうし裕福な家に生まれれば貧しくもならないだろう。怒りやすい親の家に生まれたらよく怒られるだろう。優しい親の下に生まれたら大事にされるだろう。そんな感じで生まれた時の親の存在はその子のその後の人生を左右するといっても過言ではないだろう。
 JWの家に生まれてしまったら、まず人生でJWで無い道は選べない。特に熱心な親ほど子供も半強制的に選ばされることになる。幼稚園〜中学生くらいまではいいだろう。強制力が働くから。しかし、高校くらいになると学校も遠くなるし親の影響力も届かなくなる。そうなると子供が独立心を持っているとこのときくらいにJWになる必要あるのかな?と考えて行動する。
 第一の離れが多いのもこのあたりなのは納得のいくところだ。私の記憶でも高校入学くらいでかなりの人が居なくなった。当時は裏切り者というか、なんとなく冷たい目でみていたが、今思えば何となく気持ちもわかる。まあ、でもこの当時居なくなる子は大体が少し不良だったこともある。まっとうな子で離れる子ってあんまり居なかった気がする。
 第二の離れが、私のように大人になり文字通り精神的にも物質的にも独立した時になる。二世は家にいると、どうしても親の影響下にありなかなか言いたいことも言えず、また友達もJWばかりなので思い切った行動に出れない。実家に居て友達がJWだけだと、取りたい行動も取れないのが普通だ。それが常識人。そこで敢えて乱すのは少々乱暴。
 私は、家を出て精神的に独立し、就職して金銭的に独立してそれから初めて自分の意見を言うようになった。それまでは、地固めで言いたいことは堪えてきた。言ってみれば今が時なのかもしれない。
 親が「あなたの責任なんだから。あなたが自分で決定したんだから」ということはある程度予測が出来ていたが、今更ながらおかしな理論だ。親がまだ右も左も解らない子供のうちから善悪を教えたら世の中的に悪なことも善になる。泥棒の子が泥棒するのと同じで*1。そんな状態にさせた上で選択させてよくいえたものだ。
 言ってみれば、生まれたときから借金は良いことだと教え込んで、贅沢の為には借金することが素晴らしいと褒めて、小学生高学年くらいで1億円の借金証文にハンコをつかせるようなもの。押す前も「あなたが決めるんだから、あなたが押したいと思ったら押せばいいのよ」なんて言って一見自主性を促しているが、押さないと言って証文を破り捨てようものなら平手打ちしてしまいかねない。そんな状況ではいわゆる良い子は借金の証文にハンコを押すだろう。
 そして、JWを辞めたいと言ったとき、その証文を出してくる。ほら、あなたが押したのよ!見てみなさいあなたのハンコでしょ!あなたが押したんだからこの借金背負いなさい・・・と。よく考えればオカシイ話。これがまかり通っているのがJW親と二世の関係。親はよかれと思ってしているのだろうが、それは違う。宗教は一般的な高等教育と違い心の話。心は誰も支配してはけないはず。それを認めないのは非常識。

*1:そこまでJWはわるくないが。