取り返しのつかない

　この前の日記にこんな投稿があったので、お題として回答しようと思う。

ちょっと質問をさせて下さい。いつも思っているのですが、世の人は、異性と自由に付き合えるじゃないですか。そして、合わないと思えばこれまた堂々と別れられますよね。JWの方たちも、一度は付き合っても合わないと分れば、別れて他の人と付き合い始める、という事もあるのですか？

　結論から言うと、ある。というか結構ある。昔からよく見かけたので、幼心に良いのだろうか？と疑問に思ったものだ。しかも、JWの場合は世の人よりも付き合うことの意味が重くなるために、別れるとどちらも好奇の目にさらされる。
　JWでも、付き合うことが結婚とイコールではないので決して別れることが禁止されているわけではない。結婚前なら別れる*1ことも不可能ではない。
　事実私がいた会衆でも、今まで幸せそうで婚約発表までしていたカップルが突如別れたことがあった。付き合っているうちはまだいいのだが、段々結婚とかの話が進むと両家の家の隔たりが予想以上に大きかったり、他に問題が発生したりと色々見えてくるところもある。そんな問題が発生した時、JWは別れを選択するのだ。
　私が見ていたケースでは、破綻後、兄弟は再び付き合いだして結婚というのが多かったが、姉妹が意外にその後結婚出来なかったりしているところがあったように見える。姉妹達のJW内の地位的なものに由来する事なのかは定かではないが。
　一般的な世の中の付き合いですら、付き合っているうちはお互いの細かいところまでが解らない。大学生などは一人暮らししていると半ば同棲のような生活が多くなる。それで、色々相手の生活習慣が見えたりして喧嘩が起きたりする。
　でも、それだってお互いが生活しているから見えることで、互いに離れて住んで、ましてやJWの様に手を握って良いかどうかが黒か白かの判定合戦になる恋愛世界では、なかなか相手を見極める事ができまい。
　経験がない人には解らない世界だが、幾ら好きな人間でも箸の置き方一つ、洗濯の干し方一つで怒りスイッチが入ったりしてしまうのが人間同士。恋人も長く付き合えば、次第にLoveからLikeへ変化する。もっともそれが、夫婦というものであり、恋人との違いはこの変化であると私は考えるのだが。
　では、結婚してこんなはずじゃなかったと思ったJWカップルはどうすればいいのか。実際結構この手の話は水面下で多いようで、私も方々で耳にした。勿論、JWだから大っぴらに離婚はできない。そのため、大抵は周りとの折り合いを付けるために家庭内別居をすることが多いようだ。集会場でも、その夫婦だけ妙によそよそしかったりして、明らかに不仲なのだが、JW故に離婚ができず、それとなく距離を置くのことになる。そして、じわじわと周囲に伝わる感じ。
　こうなってしまうと不幸としか言いようがない。夫婦を責めるというよりは、この制度を作っているJWがおかしいだろう。決定的な不一致があっても、それでも尚一緒に居なければならないという規則。これがあることで、心に素直になれず拘束を受ける。
　JWといえども、この世の中ではJW法より日本国法が優先するので、離婚が出来ないわけではないが、した場合はそれ相応のペナルティがあり、そのために離婚出来ずに我慢するというのが一般的なJWのようだ。
好きでもない人と一緒に過ごす。しかも相手を変える権利もない。そんな時優しい異性から声をかけられて、不倫が起きる。離婚が出来れば不倫にならない事態でも、出来ない故の不倫も多いだろう。JWの世界、例えばベテルでも不倫事件が多いということを聞くと原因はそんなことにもあるのかもしれない。
　あるJWのおばさん姉妹は結婚前に全てが解る方が楽しみがなくなるから問題よという姉妹が居たが、それは・・結婚が成功している姉妹の弁だろう。たった一つの例をみて、それ以外全てを否定する、そんなおばさん姉妹達にはこういったJW二世の悩みは解りますまい。

*1:JWの教義に則って