情報操作から得られた益

Arlecchino2007-05-17

 JWに長くいるからか、一般的に日本人がそうなのか、結構与えられた情報をそのままに信じることが多いような気がする。その昔自分は、歴史認識に関しては学校で習うことだけが全てだと思ってたし、JWの中では集会や書籍・出版物からくる情報が全てだと思っていた。人間は何を持って事実認定するかといえば、自分が持っている情報をもとにする。それ以外の知りようがない情報で事実を認定することなどない。だから、その与えられた情報を元に事象を分析して事実を認定したら、必然的に情報発信者の意図に近い事実認定しかしないこととなる。
 思えば、自分がまだ割当をこなしていたとき、聖書の聖句からの引用があった。それを当てはめるときにどう考えても無理がある聖句などがあるのだが、JW的には正しい解釈という情報があったので、それを上手く当てはめてJWの情報発信者の意図に沿った話を作っていた。そこに疑いを挟んだか挟まなかったかで、今の自分があるかないかの分かれ道だった気がする。疑いというと悪く聞こえるが、物事を疑う心は必要なこと。疑う気持ちが無くなった時点で人は無気力になり思考停止してしまう。だから、JWに限らずだが鵜呑みにする人は痛い目を見ることが多いのだろう。
 私は集会に行かなくなってもう3年経つのだが、未だにJWに登録があるようなので、たまに雑誌が入っていたりする。若い人は尋ねるとかがあったり世界展望がある。見た目のデザインは変わっているが書いてあることは相変わらずだ。
 内緒でデートしたらだめだろうか?、お酒の害、私に相応しい人はどんな人だろうか?*1そんな内容が目についた。恋愛記事なんかを見ると絶対と言っていいほどジェシカ(仮名)とかが出てきてJWなんだけど世の人から告白されてどうしようか迷っていますとかって書いてあったりする。ブルックリンには毎月こんな体験談が来るのだろうか?いや、それはないだろう。
 子供の頃は何も不思議に思わなかったが、この(仮名)の登場人物は全員実在するんだろうか?なんか、見てると余りに都合が良すぎる人間ばかりが出ている気がする。世の中の雑誌もそうだけど、幾らでも雑誌社に都合がいいように変えられる。しかも、仮名だったらなおさら存在しない人間とエピソードをでっち上げられる。
 パターンがあって、冒頭で悪そうな誘惑に負けそうと話した人は大体、文末で

でも、やっぱり祈りのうちに正しい結論を導き出しました

ちゃんちゃん、悔い改めましたー。というパターンになる。勿論薬物とかの場合は、そのままアンハッピーな事例として文末に紹介されることもある。その場合は決まって、

○○は幸せな結果を生み出したといえるでしょうか?いいえ・・・

的に話がまとめられる。こういうのも、きっと何かの説得的文法なのかもしれない。JWをやってて今会社で役立つのがプレゼンとかの場合、何を言えば相手が納得するかが解ってしまうこと。きっと、こういう説得させるために情報を操作する方法を学んだからだろう。
 昨日ラジオで、企画書を通すにはどうしたらいいかという話があったが、まずは社内の人間を説得しなければならない。説得したらあとは売れる仕組みを考えればいいそれだけだと売れっ子のMDが語っていた。社内の人を説得する場合は、嘘をついてでも説得的なことをいい情報操作すればいいといっていた。*2
 JWに限らずだが、社会の情報の考え方もそれと同じなのかもしれない。情報発信者にとって、都合の良い結果を導き出すために、どういう情報を出すかを考えて出している。JWだからまったくそう言う意図がないということなんかはあり得ない。より効率的且つインパクトを持って信者を獲得するという命題があるので、当然それに沿った情報発信になる。このblogを見ておられるような現役の方々は是非、良い意味でまず色々な情報を疑って、自分の頭で思考していただきたい。その上で納得するならそれはよし。鵜呑みだけはしてはいけない。
 と、ここで情報を発信している自分が言ってみる。もちろん、この情報だって疑って欲しい。疑って間違ってると思えば、それはその人にとって一つの収穫なのだから。

*1:全て例。こんな感じのタイトルだったかな、という程度

*2:ただし、「いい意味情報操作を」とつけくわえていたけど。